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ムコ多糖のこだわり

1.ムコ多糖は総称

ムコ多糖というと聞きなれない方も多いかもしれませんが、ヒアルロン酸やコンドロイチン硫酸というとご存知の方も多いと思います。ムコ多糖とはそれらの総称です。

ムコ多糖類、グリコサミノグリカンともいう。ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸など、アミノ糖をもつ多糖とされたが、近年はヘキソサミン(グルコサミン、ガラクトサミン)とウロン酸の繰返し構造からなる多糖の総称として使われる。

〔ムコはラテン語の mucus から。動物の粘性分泌物の意〕


主なムコ多糖は下記の通りですが、ムコ多糖はアミノ酸とウロン酸の組み合わせによって種類が決まります。分布をみても身体のいたるところ(細胞外マトリックス) にムコ多糖が存在し、様々な働きをしている事がおわかりいただけると思います。

細胞外マトリックス

人間の身体は約37兆個の細胞でできているといわれておりますが、生体組織において、この細胞以外のものが細胞外マトリックスです。

※左右にフリックしてご覧いただけます。
グリコサミノグリカン アミノ酸 ウロン酸 分布
ヒアルロン酸 グルコサミン グルクロン酸
イズロン酸
ガラクトース
硝子体、関節液、臍帯
ケラタン硫酸 軟骨、椎間板、角膜
ヘパラン硫酸 細胞表面、基底膜
ヘパリン 小腸、筋肉、肺、脾、腱、肝、肥満細胞
コンドロイチン ガラクトサミン 角膜
コンドロイチン硫酸
(A,C,D,E,K)
骨、象牙質、軟骨
デルマタン硫酸 皮膚、動脈壁、腱、骨、象牙質

ムコ多糖?プロテオグリカン?コンドロイチン?ヒアルロン酸?グルコサミン??

ムコ多糖に関連する言葉はたくさんあり、市場にもたくさん出回っているので、混乱を招く原因になっています。
例えば、ムコ多糖の1種であるヒアルロン酸を例に挙げてみましょう。

ヒアルロン酸 = グルコサミン + グルクロン酸

で構成されているので、グルコサミンはヒアルロン酸の構成要素の1つでしかない事がおわかりいただけると思います。また医学的にはコアタンパクを持たないため、ヒアルロン酸はプロテオグリカンには含まれません。

ムコ多糖 = プロテオグリカン + ヒアルロン酸

プロテオグリカン

糖タンパク質の1種で、「プロテオ」はプロテイン、つまりタンパク質、「グリカン」は多糖類を意味します。具体的にはコンドロイチン・コンドロイチン硫酸・デルマタン硫酸・ケラタン硫酸・ヘパラン硫酸・ヘパリン。

ムコ多糖

2.ムコ多糖の「質」

身体のいたるところに存在するムコ多糖。これがムコ多糖が身体の基礎物質であるゆえんです。ムコ多糖のムコが動物の粘性分泌物を意味するように、ヒトだけではなく、様々な動物に存在します。

コンドロイチン硫酸を例に挙げてみましょう。 先に述べたように単にコンドロイチン硫酸といっても種類は様々です。もちろんヒトのコンドロイチン硫酸が減っていく速度も種類によって違います。

表の様に、ヒトのコンドロイチン 硫酸はC(6 硫酸)よりも、A(4 硫酸)の方が減少が早いといわ れています。したがって、補うコンドロイチン硫酸の必要性もCよりAの方が高い訳です。これがムコ多糖の「質」です。

つまり、ムコ多糖、プロテオグリカン、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸、グルコサミンの何を摂るにしろ、質(原料)が非常に重要なのです。

身体のいたるところに存在するムコ多糖
ヒト肋軟骨中コンドロイチン硫酸の年齢変化

身体に必要な水分を蓄えてくれるのがムコ多糖

  • ムコ多糖は身体の結合組織内で非常に高い保水性を持ちます。また体液に独特の粘性、潤滑性を与え全身の体液量もコントロールしています。
  • 植物は水がなくなると枯れていきます。ヒトも体内の水分がなくなると、シワができ、やがて枯れた様になります。
  • ヒトの体内に保有されている水分は、液体の状態のままでは保てないので、他の物質と結合して、ヌルヌルした状態で保たれています。体液を蓄えるのがムコ多糖

体液を蓄えるのがムコ多糖
※皮膚をすりむいた時、皮膚のむけた部分がヌルヌルしています。つまり体外で触れる事のできる涙以外の体液、例えば唾液、鼻水等全てヌルヌルしている事からも上記を説明しています。

身体に必要な水分を蓄えてくれるのがムコ多糖

身体のいたるところに存在し、働きモノのムコ多糖 !

ムコ多糖は、約37兆個といわれる生体細胞を取り巻く結合組織(細胞外マトリッ クス)に存在します。そこで、構造的な働きをすると同時に、栄養代謝の環境を整えているのです。つまり、毛細血管により送りこまれてきた酸素や栄養素を身体のすみずみの細胞まで送り届け、細胞の中のいらなくなった老廃物を細胞の外へ運び出す働きもあります。毛細血管の血管壁から滲みだした栄養素は、ムコ多糖が存在する細胞外マトリックスに一旦貯蔵され、細胞の必要に応じて細胞内に取り込まれ利用されます。
つまり、ムコ多糖の減少は栄養素の減少となるのです。

結合組織

伝統的な分類で、人間の身体は4つの組織に分類されます。上皮組織・筋組織・神経組織、そして結合組織です。詳細に定義されている分類ではないのですが、他の3つの組織以外を全て結合組織といいます。

細胞外マトリックス

細胞外に存在する超分子構造体です。多細胞生物を構成する個々の細胞はこの細胞外マトリックスに埋まっています。細胞外の空間を充填する物質であると同時に、骨格的役割、細胞接着における足場の役割、細胞増殖因子などの保持・提供する役割などを担う。細胞外基質・細胞間マトリックスともいいます。

3.ムコ多糖の体内分布

ムコ多糖は動物の組織や体液に含まれる多種多様な「粘稠性」(ねんちょうせい)を持った物質として、結合組織において細胞外の組織間物質として体内広範囲に分布しています。

ムコ多糖を豊富に含む組織

  • 皮膚、骨、軟骨、靭帯、腱、関節液
  • 血管内皮、心臓弁、臓器
  • 角膜、硝子体液

これら体内分布と含有量は成長と老化の過程において大きく変化します。分布状態や含有量に異常が生じた場合には、細胞外環境を良好に保つ事が出来ず、様々な身体の不具合を引き起こす可能性があります。

4.体内のムコ多糖の減少

人間は23歳~25歳まではムコ多糖の生産者だが25歳以上になると消費者に!
加齢とともに徐々に体内のムコ多糖の合成能が低下していきます。ムコ多糖の合成が低下すると、組織での保水性が低下します。
その結果

  • ◯ 皮膚にシワができる
  • ◯ 血管が潤いや柔軟性を失って、硬くもろくなる
  • ◯ 細胞レベルでの生理活動のユガミ/ヒズミがでる

この様に加齢に伴い体内のムコ多糖は着実に減少していくため、
的確な食事で補給する事が必要とされています。

年齢別体内水分量

ムコ多糖を多く含む食べ物
ハモ・魚の煮こごり・若鳥のスープ・アヒルの皮・スッポン・ウナギ・ドジョウ
トンコツスープ・牛筋や内臓の煮込み・ナマコ・フカヒレ・ツバメの巣・サメ軟骨・牛軟骨

 

ムコ多糖の働き

 

健やかな年を重ねるために